【論文発表】第36回エネルギー・資源学会研究発表会
2017年6月、エネルギー・資源学会にて論文「業務用建物における待機時消費電力に関する初期調査について」を発表しました。
省エネ改修された業務用建物では、建物全体の電気使用量に対する待機時消費電力の割合が極めて高くなり、全体の14~20%にも上ると推定されました。またその削減対策は難しく、有効な手段がないのが現状です。その理由として以下が挙げられます。
1)削減対策が示されていない ―― 空調室外機の主たる待機時消費電力であるクランクケースヒーターは、メーカー側が対策を行わない限り使用者が対策を行うことは困難であること
2)1個の機器の待機時消費電力は極めて小さいが、その機器数が多い ―― スイッチングハブ等のネットワーク機器やPCであり、対策すべき個数が多いこと、また1個の機器の待機時消費電力は極めて小さいため、待機時消費電力対策と考えて設備の入れ替えを行うには費用対効果が悪いこと
3)耐用年数が極めて長い設備で更新による対策が行いにくい ―― 変圧器でのトランスロスであり、変圧器の耐用年数は25年以上と長く、なかなか更新されないこと
今後さらなる省エネ改修により待機時消費電力割合はますます大きくなると考えられ、詳細な調査と早急な対策が重要と考えられます。