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CASE STUDY 設計・事業実施

雲南市加茂文化ホール ラメール

意匠を変えずに、省エネ技術の組合せで「ZEB Ready」を実現

ZEBのランクZEB Ready

一次エネルギー消費量の削減率(基準比・設計値)52%

BEI0.48

A重油の使用量年20.83kL → 0

事例の概要

所在地
島根県雲南市
施設の用途
公共文化ホール(大ホール・多目的ホール)
建物
RC造 地上3階・地下1階(1993年12月竣工)
延床面積
3,701.41㎡
新築/既存
既存(大規模改修)
改修工事
2024年6月〜2025年11月
施設の所有者
島根県雲南市
設計
矢野建築設計事務所有限会社
弊社の役割
ZEBプランナー、エネルギー性能の検証
再生可能エネルギー設備
なし(省エネ技術だけで達成)

ZEB化のきっかけ

雲南市加茂文化ホール ラメールは、1993年に竣工した公共文化ホールです。雲南市は「雲南市脱炭素社会実現計画」(令和6年3月)で、大規模改修にあわせて公共施設をZEB化する方針を定めています。本施設は、その方針を最初に形にした、既存建築物のZEB化改修です。

ZEB化を阻む3つの壁

  • 意匠を壊せない:ドーム状の屋根と曲面の外観を持つポストモダン建築です。外観を変える選択肢はありませんでした。
  • 大空間・高天井:大ホールは容積24,017㎥、天井高23.7〜28.5m。天井付近に暖気がたまり、在室域が暖まりにくいため、事務所向けの一般的な手法がそのままでは使えません。
  • 屋根に太陽光が載らない:曲面の屋根と日影の制約から、太陽光発電の設置が困難でした。そのため、創エネを必要としない「ZEB Ready」を目標にしました。
大ホールの客席とドーム天井
大ホール(客席・ドーム天井)

主な取組

  1. 熱源の電気化:A重油を使う吸収式冷温水機を、高効率の電気式パッケージエアコン(EHP)に更新しました。4つの案を比べ、将来、再エネの電力を使えることを重視して電気式を選びました。A重油の使用量(年20.83kL)はゼロになりました。
  2. 大空間は暖め方を変える:大ホールの客席には輻射熱ヒーター、多目的ホールには床暖房と気流を撹拌するファンを導入しました。室内の空気全体ではなく、在室者を直接暖めます。
  3. 在室人数に合わせた換気:全熱交換換気扇と、CO2濃度による風量制御を組み合わせました(換気設備のBEI 0.30)。
  4. 照明の最適制御:全館をLEDにし、人感・明るさ・スケジュール・初期照度補正の4つの制御を、部屋の使い方に合わせて組み合わせました(照明設備のBEI 0.17)。
  5. 用途別に見えるBEMS:遠隔監視型のBEMSを53点に設け、運用での改善につなげています。
多目的ホール
多目的ホール(床暖房と気流撹拌のファン)

地域の設計者との協働(Local ZEB)

地域の設計事業者である矢野建築設計事務所と、ZEBプランナーの弊社が、それぞれの専門性を持ち寄って設計にあたりました。弊社が技術の選定・エネルギー計算・補助金の申請を担い、設計者は設計に専念できる分担です。大ホール客席の輻射熱ヒーターは、矢野建築設計事務所の提案によるものです。

改修後は、指定管理者の株式会社キラキラ雲南が日々の運用を担い、弊社がBEMSのデータを分析して改善を提案しています。

成果

一次エネルギー消費量(その他を除く) 8,385.7 GJ/年 → 3,968.0 GJ/年(52%削減。原油換算で年114.0kL)
BEI 0.48(空調 0.54/換気 0.30/照明 0.17)
外皮性能 PAL* 946 → 687 MJ/㎡年(BPI 0.73)
第三者評価 BELS ★6(ZEB Ready)

数値は設計値です。改修後は、BEMSで用途別のエネルギー消費量を計測しています。

更新した空冷ヒートポンプパッケージエアコンの室外機
更新した空冷ヒートポンプパッケージエアコン(室外機)

改修後の計測から分かったこと

  • 曲面の屋根の外皮面積を3次元CADで求めると、簡便法で求めた値の約3分の2でした。曲面そのものが不利なのではなく、算定の方法によって不利に評価されていたことが分かりました。
  • 冬の大ホールでは、開館前の予熱運転が、空調熱源の電力の約3割を占めていました。指定管理者が予熱の時間帯を見直し、他の部屋と重なる早朝の平均電力を約3割下げました。
  • 輻射熱ヒーターは、大ホールの予熱運転の約12分の1の電力で、客席の快適性を高めていました。

「今期は『寒い』というクレームがありませんでした。以前は、真冬にホールを稼働するたびに必ず言われていました」

(指定管理者 株式会社キラキラ雲南)

再生可能エネルギー100%の電力へ

2026年4月からは、雲南市が出資する地域新電力、株式会社うんなん共創エネルギーから、再生可能エネルギー100%の電力を購入しています。エネルギーの需要を減らしたうえで、残りを地域の再エネでまかなう取組です。

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  • イメージ協議会・セミナー・イベント企画運営

    発注者:岡山市・令和6年度

    「おかやま家庭の省エネ対策相談窓口」の創出を支援(現在も稼働中)

    令和6年度ゼロカーボン研究会運営業務

    岡山市では、令和3年度より「ゼロカーボン研究会」を開催しています。

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